年々と温暖化が懸念されている現在、春夏秋冬の四季の区切りが曖昧になってきています。
「春一番と同時に、花粉注意報が発令されました」と聞いたのも束の間、翌日にはエアコン(冷房)を使用したくなるほど急激に気温が上がり、体調に不調をきたしてしまうこともよくあります。
モルモットは、人間と同じく恒温動物です。
気温や水温など周囲の温度に左右されることなく、自らの体温を一定に保つことができ、暑い所でも寒い所でも活動することができます。
ですが、(人間もモルモットも)体調を維持できる気温を超える高温の環境におかれると体温調節機能が効かなくなり、体温が急上昇して熱中症の症状を表わし、命を落とす危険に晒されます。
高温多湿に慣れているはずの私達でさえそうなのですから、体も小さく高温多湿に弱いモルモットに対しては、万全の準備をして厳しい夏の気候に臨まなければなりません。
モルモットは夏に弱い
モルモットの原産地は南米(ペルー南部、ボリビア南部、アルゼンチン北部、チリ北部)で、元来は乾いた高地に暮らしていました。昼間は穴の中で過ごし、夜間に行動する夜行性の生き物で、高温多湿に弱いです。
モルモットが健康を維持できる気温は17℃から24℃と言われており、活動限界温度の範囲は10℃から30℃と言われています。
モルモットと夏を乗りきろう
モルモットのような小動物を飼うにあたり、エアコンなしで、夏の厳しい気温環境を乗りきろうと考えるのは、かなり無謀なことと言わざるを得ません。
モルモットの飼い主さんたちは、夏場は一日中、エアコンを稼働させておくという方が多いです。
モルモットのケージの床面が32℃を超えてはいけません。
命の危険があります。
ですが、室内温度を24℃にずっと保っておくのは、人感には少し肌寒い(冷たい空気は下に溜まりがちですので足が冷えそう)ですし、省エネが叫ばれている風潮もあり、電力コスト的にもちょっと……という方は、エアコンを運転させつつ、扇風機をサーキュレーターの用途で使う、という方法があります。
御存じ、扇風機は羽根で回転させた空気を体に直接当てて、涼しさを得ます。
扇風機の前に陣取って動かない人もいますよね。
サーキュレーターは、部屋の空気を循環させて、暖かい空気と冷たい空気を混ぜる目的で使います。
夏に締め切った部屋でエアコンを運転していると、上の方の温度と、床に近い下の方の温度に差が生じます。
モルモットには、エアコンや扇風機の風を直かに当ててはいけないので、扇風機をサーキュレーター代わりにして、部屋の空気を掻き回すのです。
- エアコンを背にして扇風機を置き、下に溜まった冷気を拡散し、部屋の中に循環させる。
- エアコンから少し離れたところに扇風機を置き、首を斜め上に固定して、エアコンの吹き出し口に向けて冷気を循環させる。
などの方法があります。
エアコンと保冷剤との併用
活動限界温度が30℃とはいえ、個体差もあることですし、人間には快適な温度であっても、モルモットにはまだ暑いと感じる室温かもしれない……そんな時は、エアコンと保冷剤の併用も考えられます。
簡易な保冷剤としては、凍らせたペットボトルをタオルなどで巻いて、ケージの上に乗せてあげる。
またはケージの下に敷いてあげる。
ケージの横に固定する。
齧らない子なら、ケージの中に入れてあげても良いでしょう。
保冷剤の近くが涼しいと認識すれば、モルモットが傍に寄ってきて涼んでくれます。
夏場は短時間で溶けてしまいますので、べちょべちょになる前にこまめに取り換えてあげましょう。
エアコンは28℃設定にしておき、保冷剤をプラスしてあげれば、モルモットが熱中症になる危険はないでしょう。
その他の夏場対策
- エアコンと保冷剤の併用のほか、「エアコンと、ペット用大理石の併用」、「エアコンと、ペット用アルミ板の併用」が考えられます。
暑い室内環境下でケージの中に置いておいても、アルミ板や大理石がひんやり感を持続させるのは難しいです。いずれもエアコン環境での使用をお勧めします。
アルミ板も大理石も、簡単に載って涼んでくれるモルモットもいれば、怖がったりで載らない子もいます。また、長毛種のモルモットがアルミ板の上で尿をすると、被毛が尿を吸い取ってしまうことがあります。
- ケージ床面が32℃を超えるとモルモットの生命に危険が及びます。空調管理に不安があるのなら、ケージごと電気式の冷却板に載せておくのも一つの手です。
まとめ
モルモットが夏を乗りきるのに、エアコンなしの環境はかなり過酷だということがわかりました。
エアコンと扇風機の併用や、保冷剤を適度に使用するなどで工夫してあげましょう。