モルモットは、臆病でストレスを感じやすい動物ではありますが、その原因を知り、取り除く努力をすれば、比較的強く健康に生きられる動物です。
でも、ある日突然、病気になることもあります。
モルモットがじっとして動かなくなったり、食欲が無くなったら、病気を疑ってください。
よく見かけられる病気の症状のひとつに、血尿があります。
いつもは白っぽい色のおしっこに、赤色が混じって、ピンクっぽくなっていたら、それが血尿です。
血尿で考えられる病気と対策
- 尿路結石
尿の中にカルシウムの結晶ができ、痛みを生じたり、尿の排泄に異常が生じる病気です。
モルモットは、健康であっても、カルシウム含有量が高い尿をしています。
普段から、白っぽい色のおしっこをしているのは、このカルシウムのせいなのです。
そんなモルモットなので、更にカルシウム含有量の多い食事をしていると、カルシウム結晶が形成されてしまうのです。
この結晶ができると、それが更に大きく成長し、周りの組織を圧迫したり、傷つけたり、器官の機能不全を起こします。
尿道に詰まってしまうと、おしっこが出来ず、とても激しい痛みを生じます。
対策としては、カルシウムを多く含んだ牧草を食べさせるのは控えます。
そして、水を十分に飲ませて、尿が濃くなるのを防ぎます。
成長期を過ぎたモルモットには、沢山のカルシウムを与える必要はありませんので、適度にバランスの取れた食事をさせましょう。
- 膀胱炎
膀胱は、おしっこを溜めている内臓です。
その膀胱に炎症が起きるのが膀胱炎です。
尿路結石など、何らかの原因で膀胱や尿道に傷がつき、そこに細菌が感染することによって、膀胱炎になります。
普段では感染しないような細菌であっても、ストレスや体調が良くない時にはかかってしまう場合もあります。
血尿だけでなく、いつもより沢山、何度もおしっこをしたり、逆に、おしっこしたくても出ない時もあります。
対策としては、膀胱に傷をつけた原因になるもの、例えばカルシウムの結晶を減らします。
それは、尿路結石の対策と同じです。
そして、細菌感染を防ぐためには、清潔なケージを保ち、ストレスなどで体力が落ちるのを防ぎます。
- 腎疾患
腎臓は、血液をフィルターにかけ、余分な水分や老廃物を取り除き、おしっことして排出する働きをしている内臓です。
血液をろ過して綺麗にし、不要な物をおしっことして出すのです。
その腎臓の細胞に異常が起きたり、炎症を起こすのが腎疾患です。
腎臓は、かなりの細胞に異常が起きても、顕著な症状が出ない事が多いので、慢性的になりやすく、かなり腎臓の機能が低下してから、やっと病気に気が付くことがあります。
毒素を血液から除去できなくなり、その毒素が全身を周り、尿毒症を発症することもあります。
対策としては、栄養バランスの取れた食事をとり、ストレスを溜めないこと、歯周病などで細菌が口内に増えるのを防ぐなどです。
- 子宮内膜炎
子宮は、赤ちゃんが育つ場所である内臓です。
そこに炎症が起きるのが子宮内膜症です。
モルモットは、頻繁に発情し、妊娠も繰り返しやすい動物ですので、ホルモンや栄養バランスの乱れが原因となり、子宮の病気にもかかりやすいです。
子宮からの出血ですが、尿の出る場所と近いため、血尿として現れます。
尿路結石と思われたのが、実は子宮内膜症だったという事もあります。
対策としては、バランスの取れた食事です。
他に、ホルモンバランスを崩す原因として、食品添加物や環境ホルモンなどがあげられているので、出来るだけ添加物の少ない餌を与えるなどがあります。
まとめ
どんな生き物も、食事で栄養を体内に取り込んでいますので、この食べる物が悪くては、病気になります。
栄養バランスの取れた食事が大切です。
とくにモルモットは、カルシウムの多いおしっこをするので、カルシウムの取り過ぎには注意してください。