モルモットを飼育していると臭いが凄い、とよく聞かれますが実際はどうなのでしょう?

健康な個体や、病気に罹ってしまったために臭いがある、という可能性についても考えてみました。

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基本的にはモルモットは臭くない

基本的に、飼育下においてのモルモット自体に臭いはありません。

ですが、お尻の肛門部にある「皮脂腺の分泌液の臭い」と「発情期の独特な臭い」が飼い主さんを悩ませる原因になります。

人間の皮脂腺は、頭、おでこ、鼻、首回り、耳の後ろ、胸、脇、背中などです。

その中でもニオイがきつくなりやすいのは耳の後ろや頭やうなじなどの上半身です。

よく言われる加齢臭は顔回りから生ずることが多いのですね。

モルモットはお尻の部分に皮脂腺があり、毛艶をよくしたり、体熱温度の調整をするために皮脂を分泌しているのですが、この部位が健康な個体でも臭います。

不衛生な環境下において、分泌液や糞尿などで皮脂腺が炎症を起こしてしまえば、更に臭いがきつくなると思われます。

また、モルモットは発情期になると独特の嫌な臭いを出します。

異性を惹きつけるための体臭の一種ですが、モルモットのオスは一年を通して発情するので大変です。

飼い主さんに恋愛感情を持ってしまうモルモットも多いです。

人間の場合は、加齢臭であれ、異性を惹きつけるためのフェロモン(人間の場合は無臭と言われます)であれ、お風呂やシャワーで毎日清潔にし、香水などを着けておけば済むことですが、モルモットはそうもいきません。

モルモットは自分で毛づくろいを済ませるため、基本的にお風呂に入れる必要はないからです。

モルモットの皮膚は非常にデリケートなので、頻繁にお湯に浸けてしまえば、皮膚の自浄作用が薄れ、皮膚炎などの病気に罹りやすくなってしまいます。

臭いが気になるようなら、お湯でぬらしたタオルや、ペットに安全なウェットティッシュなどで優しく拭いてあげましょう。

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病気の可能性

飼育しているモルモットの様子が奇妙だな、何だか変な臭いがする、といった変調に、賢明な飼い主さんならすぐに気づくことができるでしょう。

モルモットが病気に罹ったせいで臭いが生じる、という事例を挙げてみました。

  • 皮膚炎

モルモットの皮膚は非常に繊細で傷つきやすく、些細な傷口から皮膚炎を発症し、潰瘍になったり化膿したりしてしまいます。

足の裏などはとても柔らかくて傷つきやすく、モルモットは排尿が多いので足元が濡れやすく、それが原因で足の裏が皮膚炎になったりします。

毛深い動物ですし、気づきにくく、化膿しているのを見過ごしてしまうと傷口が膿んできて臭います。

  • 皮下膿瘍

皮下膿瘍は、皮膚が細菌に感染し、化膿菌で膿んで、皮下に血や膿が溜まってしまうことで起こります。

モルモットの体にぷよぷよしたしこりができることから気づく場合もあります。

皮膚表面近くでは水膨れのような症状になり、病気の症状が進んで患部が破裂してしまうと、その膿は悪臭を放ち、臭います。

手をこまねいて皮下膿瘍の処置をためらっていても自然完治することはなく、皮膚が破れて膿が出てしまう前に、適切な外科処置で膿を除去することが必要です。

  • ビタミンC欠乏症

壊血病ともいわれており、ビタミンCを十分に取れないと、発症する病気です。

モルモットは人間と同じように、体内でビタミンCを合成することができないので、ビタミンCを含む餌で摂取することが必要です。

1日に必要なビタミンCの量は15~25㎎(妊娠個体では30mg)といわれています。

ビタミンCが不足すると悪臭を伴う軟便をし、全身の痛みなどの症状が伴います。

下痢のせいで肛門周辺が汚れるため、臭います。

ビタミンC欠乏症(壊血病)は、人類の歴史上でも怖れられた病気でした。

16世紀から18世紀の大航海時代、航海中の大勢の船員が罹って命を落としたため、海賊よりも怖れられたのです。

後に、レモンやミカンの柑橘系の果物を摂ることで病気を防げることがわかりました。

まとめ

飼育している健康なモルモットは、基本的には臭いは無いことがわかりました。

ですが、いくら小さくて可愛いとはいえ、生きているのですから、個体の特徴である「皮脂腺の分泌液の臭い」や「発情期の独特な臭い」を完全に防ぐことはできません。

モルモットに害を与えない消臭液を使うなど、飼育環境を工夫してみましょう。

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